[main2] 百田甲斐 : ─────
[main2] : 「どうしたよ、百田」
[main2] 百田甲斐 : 「え? ああ、んー……?」
[main2] 百田甲斐 : 「ぼーっとしてた、ちょっとだけ」
[main2] : 「ほーん……まあ、いいが」
[main2] 百田甲斐 : ……少し前のことだった。
[main2] 百田甲斐 : 俺の憧れている人は、僅かな接点を見つけて近づけた人は。
[main2] 百田甲斐 : 俺の知らないところで、踏み込まれて、心を『暴かれた』みたいで。
[main2] 百田甲斐 : 「……■さん、□□くんと喧嘩とかしてなーい?」
[main2] : 「ああ? 母親かよおめーはよぉ」
[main2] 百田甲斐 : 「あっはは、ごめんごめん」
[main2] 百田甲斐 : ずきり。
[main2] 百田甲斐 : 俺の知らないところで、とっくのとうに取られちゃって。
[main2]
百田甲斐 :
じゃあ、せめて嫌われたくないし。
お節介焼きでもすれば、まだ傍には居れるのかなぁ?
そう思って。思っていた。思っていたかった。
[main2]
百田甲斐 :
じゃあ、せめて別の事に没頭したいし。
そう思って、勉強の方にちょっと力を入れて。
そう思って、図書館に立ち寄るようになって。
[main2] 百田甲斐 : ……そしたら、『せんせい』を見つけて。
[main2]
百田甲斐 :
『せんせい』は、熱心に本を読んでいて。
いつ来ても、その姿はあって。
いつ見ても、楽しそうに本を読んでいて。
[main2] 百田甲斐 : ──憧れが、重なったのかもしれない。
[main2] 百田甲斐 :
[main2] 百田甲斐 : 目覚める時には、はじけてきえる、泡沫の夢。
[main2] 百田甲斐 :